はじめに

大切な方の葬儀を終えた後、ご遺族や喪主の方々には様々な手続きが待っています。悲しみの中、「何から手を付ければいいのか」「どこで何の手続きをする必要があるのか」戸惑うことも多いでしょう。葬儀後に行う行政手続きから、相続、デジタルサービスの解約まで、やるべきことは多岐にわたります。

本ガイドでは、葬儀後に必要となる主な手続きを分かりやすく整理しました。「自分でできる」よう具体的な内容をチェックリスト形式で紹介しつつ、各種手続きの期限や届出先についても解説します。手続きの中には期限が定められているものもあるため、優先順位を付けて進めることが大切です。

セレモニーアシストは葬儀のお手伝いだけでなく、葬儀後の諸手続きについてもご遺族をしっかりサポートしています。初めての方にも安心していただけるよう、できるだけやさしい言葉で説明いたしますので、一つひとつ確認していきましょう。必要なときにはいつでも私たちにご相談ください。

役所で必要な手続き(死亡届・保険証の返却など)

まずは市区町村役場や行政機関で行う公的手続きを確認しましょう。亡くなった方の死亡に伴い、法律で期限が定められている届出や、健康保険証の返却などいくつかの行政手続きがあります。自治体によっては「おくやみコーナー」といった窓口が設置され、必要な手続きをまとめて案内してくれる場合もあります。主な行政手続きは以下のとおりです。

死亡届の提出と火葬許可申請
ご家族が死亡診断書を受け取ったら、医師の署名捺印のある死亡診断書を添付して市区町村役場へ死亡届を提出します。提出期限は死亡の事実を知った日から7日以内と定められています。通常、葬儀社が代行して届け出ることも多いですが、ご自身で行う場合は役所窓口へ提出しましょう。死亡届を出すと同時に火葬許可証の申請も行われ、火葬の際に必要な許可証が交付されます。死亡届を提出すると戸籍や住民票の抹消手続きも自動的に進みます。

健康保険の資格喪失と葬祭費の申請
亡くなった方が国民健康保険に加入していた場合は、健康保険証を市区町村役場に返却し、資格喪失の届出を行います(期限は14日以内)。会社の健康保険(社会保険)に加入していた場合は、会社や健康保険組合を通じて健康保険の資格喪失手続きを行います(社会保険の場合は概ね5日以内が目安です)。また葬祭費(国民健康保険・後期高齢者医療加入者の場合)または埋葬料(会社の健康保険加入者の場合)の給付制度があります。葬儀を行った喪主が申請することで、自治体や健康保険組合から5万円前後(自治体によって異なる)の給付金を受け取れる場合があります。申請しなければ受け取れないため、忘れずに申請しましょう(申請期限は葬儀の翌日から2年以内です)。手続きには健康保険証の返却や葬儀社の発行する領収書(または会葬礼状)などが必要です。

年金受給停止の届出
 故人が年金を受給していた場合、年金事務所または年金相談センターで年金受給権者死亡届を提出し、年金の支給停止手続きを行います。厚生年金受給者の場合は10日以内、国民年金(老齢基礎年金)受給者の場合は14日以内が目安です。届出を怠ると年金が過払いになり、後日返還手続きが必要になることがありますので早めに対応します。また、故人が受け取れずに未支給となっている年金があれば、配偶者など遺族が未支給年金として請求できます。年金の種類によって請求先が異なりますので、年金事務所で確認しましょう(未支給年金の請求期限は5年以内です)。

遺族年金・一時金の手続き
故人が国民年金や厚生年金に加入中で一定の条件を満たしていた場合、遺族に遺族年金が支給されることがあります。たとえば、厚生年金加入者が亡くなった場合、遺された配偶者やお子様に遺族厚生年金が支給されるケースがあります。また、国民年金加入者で遺族年金の要件に該当しない場合でも、死亡一時金(国民年金の掛け捨て救済措置)を受け取れる場合があります。これらも申請が必要で、年金事務所や市区町村の年金窓口で手続きを行います。遺族年金・死亡一時金の請求期限は2年~5年と比較的余裕がありますが、できるだけ早めに相談しておきましょう。

介護保険の手続き
故人が要介護認定を受けていた場合、介護保険被保険者証の返却と資格喪失の届出を市区町村役場で行います(14日以内が目安)。介護サービスを利用中であった場合は、ケアマネージャーやサービス提供事業者にも死亡の連絡を入れ、今後のサービス停止や利用料精算の手続きを進めます。また、介護保険関連で高額介護サービス費の受給対象になっている場合は、支給申請を行いましょう(申請期限は2年以内)。

その他の公的手続き
上記以外にも、公的な身分証や許可証の返納等の手続きがあります。例えばマイナンバーカード印鑑登録証(印鑑証明カード)は死亡届提出により自動的に無効になりますが、カード類は念のため市区町村役場に返納することになっています。また、運転免許証は最寄りの警察署や運転免許センターに返納届を提出します。免許証を返す際には、亡くなった方の免許証のほか、届出人(遺族)の本人確認書類や故人との関係がわかる戸籍謄本などが必要です。パスポートについても、旅券窓口(各都道府県のパスポートセンター)で返納手続きを行います。これら公的証書類の返納手続きについても忘れずに行いましょう。

遺産相続に関する手続き

次に、財産や相続に関わる手続きを確認します。相続手続きは法律的な要素が多く含まれ、手順も複雑になりがちです。しかし、以下のポイントを押さえて順に対応すればスムーズに進められます。必要に応じて専門家(司法書士や弁護士、税理士)に相談することも検討しましょう。

遺言書の有無を確認
まず故人が遺言書を残していないか確認します。公正証書遺言であれば公証役場に記録がありますし、自筆の遺言書が見つかった場合は家庭裁判所での検認手続きが必要です(開封前に届け出ます)。遺言の内容によっては、その指示に従って相続手続きを進めます。

相続人と相続財産の確定
遺言書がない場合、法律に則って誰が相続人になるか(法定相続人)を確定し、故人の財産目録を作成します。財産には、不動産、預貯金、有価証券、自動車、貴金属、美術品などプラスの財産だけでなく、借金やローンなどマイナスの財産(債務)も含まれます。これらを調査しリストアップしましょう。

相続放棄・限定承認の検討(期限:3ヶ月以内)
相続する財産より借金など負債のほうが多い場合など、相続を放棄したい場合は、家庭裁判所で相続放棄の手続きを行います。逆に、負債があっても財産の範囲内で相続したい場合は限定承認の手続きを取ることもできます。これらは原則として死亡を知った日から3ヶ月以内(熟慮期間)に申述する必要があります。熟慮期間内に放棄の手続きをしないと、自動的に相続を承認したとみなされますので注意しましょう。

遺産分割協議と名義変更
相続放棄する人がいなければ、法定相続人全員で遺産分割協議を行い、誰がどの財産を相続するか話し合います。話し合いがまとまったら遺産分割協議書を作成し、相続人全員が署名押印します。この協議書に基づき、不動産の名義変更(相続登記)や銀行預金の相続手続き(後述)など各財産の名義変更手続きを進めます。相続人間で円満に話し合うことが理想ですが、難しい場合は家庭裁判所の調停なども検討しましょう。

故人の所得税の確定申告(準確定申告)
亡くなった方がその年の確定申告をまだ済ませていない場合、相続人が代わりに準確定申告を行う必要があります。対象となるのは、会社員で年末調整済みの場合を除き、自営業者や年金収入が一定以上ある方などです。準確定申告の期限は死亡を知った日の翌日から4ヶ月以内です。複数の相続人がいる場合は代表者を決め、必要書類を準備して税務署に申告・納税します。

相続税の申告・納付
相続財産の評価額が基礎控除額(※)を超える場合、相続人全員で協力して相続税の申告を行わなければなりません。申告・納付の期限は死亡から10ヶ月以内と定められています。相続税の計算には不動産評価や特例の適用判断など専門知識が必要なため、早めに税理士等に相談することをおすすめします。現金一括納付が原則ですが、金銭の用意が難しい場合は延納・物納の制度もあります。まずは相続財産と各種控除を把握し、課税の有無を確認しましょう。

相続税の基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数。例えば相続人が配偶者と子1人なら、基礎控除額は3,000万円+600万円×2=4,200万円となります。この額を遺産総額が超えなければ相続税申告は不要です。

名義変更の手続き
遺産分割協議や相続税申告が済んだら、各種名義変更を進めます。不動産の相続登記、預貯金口座の名義変更(解約払戻し)、株式等の名義変更、車両の名義変更などです。預金や株式の手続きには金融機関所定の書類の提出が必要で、戸籍謄本や遺産分割協議書、相続人全員の署名押印が求められます。これら名義変更手続きに期限はありませんが、放置すると将来的に二次相続が発生した際に手続きが複雑になる恐れがあります。なるべく早めに完了させましょう。

相続手続きはやるべきことが多岐にわたり時間もかかります。特に相続税の申告期限は10ヶ月と一見長く感じますが、財産調査や評価に時間がかかる場合もあります。早め早めの準備を心がけ、専門家の力も借りながら確実に対応しましょう。不安なときはセレモニーアシストにご連絡いただければ、適切な専門家のご紹介や手続きの流れについてアドバイスいたします。

金融機関での手続き(銀行・保険・証券など)

故人名義の銀行口座や金融商品の手続きも重要な項目です。金融機関での手続きは相続手続きと深く関わる部分が多く、必要書類も多岐にわたります。以下、主なポイントと注意点を確認しましょう。

銀行預金口座の凍結と解約
銀行は口座名義人の死亡を知ると、その口座を凍結します。凍結されると、預金の引き出しや振込みなど一切の取引ができなくなり、相続手続きが完了するまで原則お金を動かせません。そのため、もし故人の預貯金で葬儀費用を支払おうと考えている場合は、銀行に連絡する前に必要最低限の金額を引き出しておくご遺族もいらっしゃいます。ただし勝手に全額を使い込むと後でトラブルになる可能性もあるため、事前に相続人全員で相談し、用途や金額をメモに残しておくと良いでしょう。口座の正式な解約・払戻しを行うには、各銀行所定の相続手続き書類に加え、戸籍謄本や遺産分割協議書(または相続関係説明図)、相続人全員の印鑑証明書などが必要になります。銀行によって必要書類が異なる場合もあるため、事前に問い合わせて確認しましょう。

証券会社・株式の手続き
故人が証券会社の口座を持っていた場合も、銀行口座と同様に凍結されます。相続人が証券会社に連絡し、相続手続きを行う必要があります。株式や投資信託は名義書換や口座解約の手続きが必要で、これにも戸籍や印鑑証明、遺産分割協議書などが求められます。株式の場合、証券保管振替機構(ほふり)を通じて相続手続きを行うケースもあります。不明点があれば証券会社の相続担当部署に相談しましょう。また、故人がネット証券を利用していた場合、郵送物が少ないため存在に気づきにくいことがあります。メールや取引記録などデジタルの手がかりも探して、見逃しがないよう注意してください。ネット証券の口座にも預貯金や株式など資産が含まれるため、相続財産として把握し、他の相続人と情報共有しながら進めましょう。

生命保険金の請求
故人が生前に生命保険に加入していた場合、死亡保険金の請求手続きを行います。死亡保険金は受取人に直接支払われるものなので相続財産には含まれませんが、請求しないともらえない点では他の給付金と同じです。保険証券や契約内容のお知らせに従い、保険会社所定の請求書に必要書類(死亡診断書の写し、受取人の本人確認書類、戸籍抄本など)を添付して提出します。保険金の時効は受取事由発生から3年と定められています。できれば葬儀後なるべく早めに保険会社へ連絡し、請求手続きを進めましょう。なお、故人が団体信用生命保険付きの住宅ローンを利用していた場合、ローン残高が保険金で完済される可能性があります。その場合も銀行に連絡し、所定の手続きを行います(多くは金融機関が案内してくれます)。住宅ローンの残債が保険適用で0円になったら、不動産の抵当権抹消手続きも忘れずにしておきます。

クレジットカードの解約
故人名義のクレジットカードも解約手続きを行います。カード会社のカスタマーセンターに連絡し、所定の手続きを進めましょう。カードによっては年会費が発生するものもあるため、基本的には早めに解約したほうが良いです。ただし、いくつか注意点もあります。未払い利用額が残っている場合、解約後に請求書が届くことがあるので支払い対応が必要です(未払い分は相続債務となります)。また、カードに付帯していた各種サービス(旅行傷害保険やショッピング保険など)があれば、故人の死亡によって保険金請求ができるケースもあります。解約前にカード会社に確認してみましょう。ポイントやマイレージが貯まっていた場合は、種類によっては家族が引き継げることもあります。こちらもカード会社や提携先企業(航空会社など)に問い合わせ、可能であれば手続きを行います。なお、故人が本会員となって家族カードを発行していた場合、本会員カードを解約すると家族カードも使えなくなります。家族が引き続き利用したい場合は、新たに家族名義でカード契約を結ぶ必要があります。

金融機関での手続きは煩雑ですが、相続財産を守るために大切なプロセスです。セレモニーアシストでは、提携の司法書士や行政書士と連携し、銀行手続きや相続書類の作成についてのご相談も承っております。「何から手を付ければ良いか分からない」という場合も、お気軽にご相談ください。

公共料金・契約サービスの解約手続き

故人が利用していた公共料金や各種サービスの名義変更・解約も早めに対応したい手続きです。故人名義のままにしておくと、口座振替が止まった際に未払いが発生したり、不要なサービス料金を払い続けてしまう恐れがあります。以下に主な項目と手続き方法をまとめます。どれもできるだけ1ヶ月以内を目安に手続きを進めましょう。

電気・ガス・水道など公共料金
ライフラインである電気・ガス・水道は、今後もその住居で利用を続けるかどうかで対応が異なります。ご家族が引き続き同じ家で生活する場合は、契約者名義や料金の支払い口座をご遺族名義に変更します。各社のカスタマーセンターに連絡し、名義変更手続きを依頼しましょう。多くの場合、電話やWEBサイトから手続き可能です。口座振替の場合は引落口座の変更手続きも必要です。一方、住居を引き払う/誰も住まない場合は、電力会社・ガス会社・水道局に連絡して利用停止(解約)の手続きをします。停止日を指定すると、その日までの料金清算が行われます。連絡の際にはお客様番号(検針票や請求書に記載)を伝えると手続きがスムーズです。

固定電話(加入電話)・インターネット回線
自宅の固定電話やインターネットも、継続利用か停止かを決めて手続きします。NTT加入電話(固定電話)の場合、同居の家族がその番号を引き継ぎ利用することも可能です(NTTでは「加入電話権の承継」という手続きがあります)。承継する場合、所定の申請書(NTTの窓口やHPで入手可能)に記入し、故人との関係がわかる戸籍や死亡記載の住民票等を提出します。利用を継続しない場合は休止または解約手続きを行いましょう。インターネット回線についても、プロバイダーや回線事業者へ連絡して解約または名義変更を行います。プロバイダーによっては電話一本で手続きが完了する場合もあります。光回線の機器レンタルがある場合は返却が必要になることがありますので、指示に従いましょう。

携帯電話・スマホの解約/名義変更
故人が使用していた携帯電話やスマートフォンは、各キャリア(通信会社)のショップまたは電話窓口で手続きを行います。解約する場合、基本的には死亡の事実を証明する書類(死亡診断書のコピーや除籍謄本など)と来店者の本人確認書類が必要です。SIMカードも持参するとスムーズでしょう。家族がその携帯番号を引き継ぎたい場合(承継)は、相続人への名義変更手続きを依頼します。その際は相続関係がわかる書類(戸籍など)や新契約者(承継者)の本人確認書類等が必要になります。携帯電話料金は放っておくと毎月課金されていくため、基本的に早めの手続きをおすすめします。ただし、すぐに解約してしまうと故人あての連絡が取れなくなる可能性もあります。特に葬儀直後は、故人の知人から携帯電話に連絡が入ることも考えられます。ある程度落ち着くまでは解約を待ち、必要な連絡を確認してから手続きを進めるのも一つの方法です。解約にあたって契約者本人の暗証番号が不明でも、死亡の場合は書類提出で対応してもらえるケースがほとんどですので、ショップスタッフに相談してください。

各種サブスクリプションサービスの解約
昨今は動画配信サービスや音楽配信サービス、新聞の電子版、食品宅配などサブスクリプション(定期課金)サービスを利用している方も多くなりました。故人が契約していたサブスクは利用者の死亡によって自動解約にはならないため、遺族が個別に解約手続きを行う必要があります。放置すると契約が継続し、料金が引き落とされ続けてしまう可能性があります。故人の銀行口座やクレジットカードが凍結されて支払いが止まると、いずれ利用停止にはなりますが、その時点で未納料金が発生し請求が届く恐れもあります。そうならないよう、できるだけ早めに解約手続きを行いましょう。具体的には、各サービスのウェブサイトで退会手続きをするか、問い合わせ窓口に連絡して利用者の死亡による解約を伝えます。サービスによっては必要書類として死亡診断書のコピー提出を求められる場合もあります。代表的なサブスク例:NetflixやHuluなど動画配信、SpotifyやApple Musicなど音楽配信、Amazonプライム、オンラインゲーム課金、新聞・雑誌の定期購読、食品や生活用品の定期購入サービスなど。どのサービスを契約していたか不明な場合は、クレジットカードの明細や銀行口座の引落履歴を確認するとヒントになります。また、故人あての郵便物やメール受信箱もチェックしてみましょう。見落としがちなサブスクを洗い出す手がかりになります。

NHK受信料・その他の契約
NHKの受信契約も亡くなった方名義であれば解約または名義変更の手続きを行います。フリーダイヤルやWEB上で手続き可能です。NHK受信料も銀行引落やカード払いの場合、放置すると未納が発生するため早めに対応しましょう。その他、故人が介護サービス契約賃貸借契約習い事の月謝など継続的なサービス契約を結んでいた場合、それぞれの契約先に連絡し、解約または名義変更・清算の手続きを進めます。

ポイント
故人の身の回りの契約を解約・変更する際は、「出て行くお金を止める」という視点で漏れがないか確認しましょう。特に自動引き落としやカード払いになっているサービスは、そのままにしておくと気づかぬうちに支払いが続いてしまう場合があります。手続きが完了するまでの間、該当口座の残高不足にならないよう注意しつつ、早め早めにストップをかけていくことが大切です。分からないことがあれば各サービスの窓口で丁寧に教えてもらえますので、一つひとつ対処していきましょう。

デジタル・ネット関連の手続き(SNSアカウント等)

昨今はパソコンやスマホ上のデジタル遺品の整理も、葬儀後の重要な手続きの一つになっています。デジタル遺品とは、亡くなった方が残した電子データやオンライン上のアカウント類すべてを指します。具体的には、SNSアカウント、ブログやメールアドレス、オンライン銀行や電子マネー、クラウドストレージ上の写真・動画データ、スマホやパソコン内の連絡先や文書ファイルなど、多岐にわたります。こうしたデジタル資産の取り扱いについても確認しておきましょう。

SNSアカウントの削除・閉鎖
故人が利用していたSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)のアカウントは、放置しておくと乗っ取りや悪用のリスクがあります。また、亡くなったことを知らない友人知人がコメントを書き込み続けてしまう可能性もあります。主要なSNSでは、利用者が亡くなった場合のアカウント削除手続きを受け付けています。例えばFacebookでは、遺族が申請することでアカウントを「追悼アカウント」として残すか、完全に削除するかを選択できます。追悼アカウントにすると、故人の名前に「追悼」と表示され、投稿内容はそのまま残りますがログインはできなくなります。故人と交流のあった人たちがメッセージを書き込んで偲ぶ場として活用できる一方、放置されたままにならないというメリットがあります。完全削除を希望する場合は、Facebook社に対し故人が亡くなった事実と申請者が遺族である証明書類(死亡診断書や戸籍など)を提出して依頼します。

X(旧Twitter)では、遺族からの申請によりアカウント削除が可能です(追悼アカウントのような保存機能はありません)。InstagramもFacebookと同様に、追悼アカウントに移行するか削除するか選べ、いずれの場合も死亡の証明書類提出が必要です。そのほかLINEなども含め、各SNSで手続き方法が公表されています。基本的には各サービスの「ヘルプセンター」や「サポート窓口」にある死亡した利用者のアカウント手続きに関する案内に従って申請する形になります。SNSアカウントを適切に閉鎖することで、個人情報の流出やなりすましを防ぐ効果もあります。手続きの詳細が分からない場合は、各社のサポートに問い合わせてみましょう。

メールアドレス・オンラインサービスの処理
故人のメールアカウント(フリーメールやプロバイダメール)やブログなども、必要に応じて削除を検討します。メールアカウントは放置しても金銭的負担はありませんが、個人情報保護の観点から閉鎖する方もいます。ブログやホームページを運営していた場合、管理人である故人が不在となるため、コメント欄が荒らされたりスパムの標的になる恐れがあります。ログイン情報が分かればサイト上で削除手続きが可能です。分からない場合はプロバイダやサービス提供元に連絡し、サイト閉鎖の相談をします。ネットショッピングのアカウント(Amazonや楽天市場など)についても、登録クレジットカードが停止されるといずれ利用できなくなりますが、アカウント自体は残ります。必要であれば各ECサイトのサポートに連絡し、退会手続きを依頼しましょう。

オンライン銀行・電子マネーの確認
故人がネット銀行(オンライン専業銀行)や電子マネースマホ決済サービス(PayPayやSuicaなど)を利用していた場合、その残高も相続財産になります。紙の通帳がないネット銀行は、メール通知やスマホアプリで利用していた可能性があります。先述のとおりメールや郵便物から手がかりを探し、心当たりのあるサービスは問い合わせてみましょう。ネット銀行口座も銀行同様に、相続人は所定の手続きを経て解約払い戻しを受けます。電子マネーやスマホ決済の残高払い戻しについては各サービスの規約によりますが、例えば交通系ICカードの未使用残高は所定の届け出により払い戻し可能なケースがあります。暗証番号やパスワードが不明な場合は手続きが難航することも考えられますが、サービス提供会社に事情を説明し指示を仰ぎましょう。IDやパスワードが不明なデジタル財産は、現状では専門業者に解析を依頼するしか手段がないとも言われています。無理に放置せず、リスクが高そうなもの(例えばネット銀行に多額の預金がある等)は専門家への相談も検討してください。

パソコン・スマホ内のデータ整理
故人のスマホやパソコンには、連絡先や写真・動画、文書ファイルといった大切なデータが保存されていることがあります。これらは形見として遺族が引き継ぐこともできますが、ロック解除の問題があります。スマホのロック解除コードやPCのログインパスワードが不明だと、中のデータにアクセスするのは困難です。セキュリティ技術が向上しているため、パスワードなしに第三者が開封することは基本的にできません。無理に初期化してしまうとデータが消えてしまいます。もしどうしても中のデータを取り出したい場合は、専門のデータ復旧業者などに相談する手もありますが、高額な費用がかかる場合もあります。残された家族としてできる範囲では、まずスマホやパソコンに残されたヒント(付箋やメモに書かれたパスワードなど)がないか探してみましょう。また、故人が利用していたクラウドストレージ(例えばGoogleドライブ、AppleのiCloud、Dropboxなど)があれば、その中に写真や連絡先が保存されている可能性があります。クラウドストレージのアクセスにはアカウント情報が必要ですが、GoogleやAppleには家族が故人のデータにアクセスするための申請制度もあります。各社のガイドラインに従って必要書類を提出すれば、一部データをダウンロードできることもあります。ただしプライバシーやセキュリティの観点から、すべてのデータ引き継ぎが認められるとは限りません。取り戻したいデータがある場合は早めに各社に問い合わせてみると良いでしょう。

デジタル遺品の整理は難しい面もありますが、放置すると別のトラブルにつながる可能性があります。最近では、一定期間アクセスがなければデータを消去する「自動削除サービス」なども登場していますが、いずれにせよ理想は故人が生前に家族と話し合っておくことです。とはいえ突然のことで準備ができなかった場合、残された側でできる範囲で一つずつ対応するしかありません。セレモニーアシストではデジタル遺品整理についてもご相談を承りますので、不安な場合はお声がけください。

まとめ:安心のサポートをいつでも

以上、葬儀後に必要となる主な手続きを網羅的にご紹介しました。死亡後の行政手続きから、相続、各種契約の解約、デジタル遺品の整理まで、多くの事項がありますが、一度に完璧にやろうとせず落ち着いて順番に進めていきましょう。まずは期限の短いもの(死亡届や健康保険証返却など7日〜14日以内の手続き)を優先し、次に相続放棄の有無(3ヶ月以内)、準確定申告(4ヶ月以内)、相続税申告(10ヶ月以内)といった順で計画を立てると良いでしょう。

最近では各市区町村でワンストップ相談窓口を設ける動きも広がっています。自治体のサービスも活用しながら、「何を、いつまでに、どこで」やるべきか整理してみてください。本ガイドのチェックリストや解説が、そのお役に立てば幸いです。

セレモニーアシストは、葬儀後のご相談にも親身に対応いたします。葬儀をお手伝いしたご縁は、その後のアフターサポートにつながっていると考えております。行政手続きの進め方がわからない、専門家を紹介してほしい、デジタル遺品の整理について相談したい…どんな小さなことでも構いません。私たちには豊富な実績と地域密着で培ったネットワークがありますので、ご遺族の負担を少しでも軽くできるよう全力でお手伝いいたします。

人生の最後のお見送りからその後の手続きまで、安心してお任せください。困ったときはいつでも、セレモニーアシストがお力になります。ご不明点があれば遠慮なくお問い合わせください。一緒に一つひとつ乗り越えてまいりましょう。